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原田のブログ

健康診断で新たな腫瘍の検査
2025-03-10
カテゴリ:犬,猫,腫瘍科
健康診断の季節
健康診断を受けいていただくきっかけになるよう、健診の重要性を度々お伝えしておりますが、
オプションではありますが、健康診断で腫瘍マーカーの検査を始めています。
実際昨秋の健診でもこの検査がきっかけで、早期発見できた子がいました。

人の方で行われているような腫瘍マーカーと同様、血液検査で行えます。
一度の採血で検査できるため、ワンちゃんにとっての負担は最低限で行える検査です。
採血するだけで特定の腫瘍のリスク判定が行えます。

今回はこちらの検査のメリットをお伝えできればと思います。
腫瘍マーカーが有用な犬種
大型犬
短頭種
高齢犬
まずこの検査が絶対的に有用な犬種が決まっています。
それは ① 大型犬 ② 短頭種 ③ その他 (ビーグル シュナウザー コーギー
それと高齢犬全般です。また怖がりなワンちゃんにもおすすめです。


 なぜこれらの犬種で腫瘍マーカーが有用?

 エコー検査が難しい
大型犬は体が大きく、エコーで詳細に確認するのが難しいです。
また短頭種は呼吸が早い子が多く、同じく詳細に確認しにくい場合が多いです。
これらの子だとエコー検査はもちろん有用なのですが、それを補う形で腫瘍マーカーを見られると安心です。

腫瘍の好発犬種
大型犬やフレンチブルドッグ、特定の犬種(上述)で多いお腹の中の腫瘍のチェックが行えるので、
後ほど述べる腫瘍の発生が多い犬種でより重要な検査になります。

 腫瘍マーカー最大のメリット
血液検査だけで行える
一般的に、腫瘍を発見するのにはレントゲンや、エコー検査などの画像検査が必要です。
みんな簡単にエコーができ、くまなく見ることができればいいのですが、
大型犬や怖がりの子、高齢犬だと色々な制限があり、それがやりにくい場合があります。
これまでの一般的な血液検査と、エコー検査の中間にやるようなイメージですね。

この腫瘍マーカーは血液検査だけで行えるため、少しの時間(10秒〜20秒)じっとできればそれで済みます。
病院にくるだけでも大変な子などでも確認できるためおすすめです。
この検査の最大のメリットはこれに尽きると思います。


 検査で確認できる腫瘍

リンパ腫
血管肉腫
組織球性肉腫

上記が検出できる代表的な腫瘍です。これ以外にも全身性のガンの約76%を検出できます。
これらは犬のがん全体の1/3を占めます。
これらの腫瘍に限らずですが、がんと戦うには早期発見が基本です。
ですが、腫瘍がある程度のサイズになるまでは症状が分かりにくく、
気付かれず過ごしている事が大半です。
腫瘍マーカーは簡易的にこれらの腫瘍のリスク判定ができるため、
健康診断として受けていただくのに最適な検査です。

費用的な負担( 健康診断オプション¥11,000 税込 ⇦ 通常 ¥13,200 )
は決して小さくないですが、今までの検査にはないメリットがたくさんある検査ですので、
今のべたチェックリストに当てはまる方はご検討ください。

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